早期英語教育と英語力

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英語教師のための第二言語習得論入門


英語教師のための第二言語習得論入門

第二言語習得に関して読んだ本が、前回の『ことばの習得―母語獲得と第二言語習得―』に引き続き2冊目。そちらが母語の獲得から観察や実験をわかりやすく説明、図表にまとめてあるため、この本を次に読んですごくわかりづらく感じた。
わかりづらい理由としては、説明が中途半端であること、また文面が話し言葉(個人ブログのような)で読みづらいこと。また、「英語教師のための」とあるが、こういう一般的な言語習得に関する内容も勉強せずに英語教師になっている事実に驚いた。

第1章の第二言語習得論については、上の鈴木孝明氏と白畑知彦共著のことばの習得のほうが勉強になるが、それ以降の章では、現在の英語教育現場で使われている教授法や、なぜ日本の英語教育では英語力が伸びないのか、小学校の英語授業が他教科に影響を与えるのかなど興味深く読んだ。

著者の白井恭弘氏は、現在はアメリカの大学で指導にあたっておられるそうだが、7年間日本の高校で英語を教えられた経験から、第5章の『高校英語教育のこれから』は実践的なアプローチが書かれている。

しかし小中高校の英語授業を見直したところで、現在の大学受験の英語試験の形式が変わらないことには、古臭い教授法で「使えない」英語、面白みもなく生徒から「嫌われる」英語がこの先も何年と続いていくのだろう。